1970年代から80年代にかけて「アメリカ全土で大会場をいっぱいに出来るのはFleetwood MacとGrateful Dead だけ」と言われていた時期があります。アメリカと言っても広いので地域によって趣味趣向が違うのです。フリートウッドマックはポップスの王道とも言える音楽なので納得ですがグレイトフルデッドは全く意味が分りませんでした。アルバムも大して売れていないしヒット曲もほとんどありません。 ある日ケーブルTVのHistory ChannelのGrateful Dead特集を見て謎が解けました。このバンドはいわゆる著作権ビジネスや音楽産業にケツまくった人達なのでした。自らのライブ会場での録音を奨励していました。レコードなんか売れなくてもライブで食えるもんねと云う基本姿勢です。と、その番組を見ながら遠い記憶が蘇ってきました。20歳前後の頃だったと思いますが楽器フェアなる催しに足を運び、あるメーカーのブースでG、B、Drのトリオでの即興デモ演奏に打ちのめされました。その時にギター弾いていたのがグレイトフル・デッドのBob Weirだったのです。難しい事はしていないのですが音のうねりとドライブ感が半端ではなくて鮮烈に覚えています。その場勝負の生演奏を重視して録音媒体を軽視した珍しいアーティストです。 数少ないヒット曲 Touch Of Grey / Grateful Dead